障害年金

①障害年金とは

②受給の条件

③請求の仕方

④請求後の年金の支払いについて

⑤申請の流れ

⑥申請窓口

初診日について

⑧診断書について

⑨保険料納付要件について

⑩所得制限について

⑪障害年金額

⑫障害年金とその他の年金(老齢・遺族年金)について

⑬障害年金と傷病手当金

⑭病名による給付の制限

⑮障害年金の更新について(障害状態確認届)


①障害年金とは

 障害によって十分な収入が得れない人の所得保障制度です。

 障害年金は、受給者に説明した上で申請をすることが望ましいです。本人の収入が増えるわけですので、先々の生活を考えながら手続きを行うことが良いでしょう。

 障害年金申請は、年金制度の複雑さや手続きの煩雑さから手間と時間がかかります。しかし、精神障害の場合、医療機関を転々として初診日が分かりずらかったり、障害特性として、障害受容や病識獲得の困難さ、認知機の低下、無気力・集中力が続かないなどがあります。

 手続きに関しては医療機関の相談室でサポートしていますので、相談してみましょう。


②受給の条件

1.初診(現在の傷病について初めて医師の診療を受けた日)から1年6ヶ月経過していること

2.20歳から初診日までの3分の2の期間年金を納めている又は、初診日の直近1年間年金を納めていること

3.現在の状態が障害年金の級に該当しそうか

その他細かく違う条件があります。


③請求の仕方

認定日(本来)請求: 

  初診から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)に請求

事後重症:

① 障害認定日の時点では障害状態が軽度だったが、その後悪化した場合など、認定日から期間が空いて申請

② 遡求請求とも呼ばれています。障害認定日の診断書を作成できたら最大5年間遡って申請が可能


④請求後の年金の支払いについて

 遡求請求をして障害年金2級で通った場合は

 障害年金2級の年額786,500円×5年間=3,932,500円が支給されます。

・年金は、2ヶ月に1回偶数月の15日に支払われます。その他、年金振込通知書は年1回毎年6月に送付されます。

・老齢年金は所得税がかかりますが、障害年金と遺族年金は非課税です。


⑤申請の流れ

1.現在の症状が年金の級に該当しそうか主治医に確認する。

 年金の級は主治医が判断するわけではありませんが、障害年金の級に該当する程度の診断書を作成できないと、診断書料が無駄になります。ただし、申請したからといって必ず通るわけではありません。

2.初診日の特定

 現在の病名の初診を特定します。

 初診日までに通院していた医療機関名・期間・病名・治療内容も確認しておくと良いです。

3.事後重症で申請する場合、障害認定日の受診歴の有無と認定日時点での状態を確認

 認定日に一定の障害があると証明できれば遡求請求ができるため、合わせて障害認定日時点での状態を確認しておきましょう。 遡求請求の場合で障害認定日の診断書が廃院やカルテの破棄によりあ取得できない場合は事後重症での申請となります。遡求請求できません。

4.保険料の納付状況を確認

 請求の窓口で障害年金を申請する要件があるか調べてもらいましょう。

 要件が確認できたら必要書類をもらえます。

 初診時の状況を記載する受診状況等証明書 と 認定日や現症を記載する診断書があります。

5.診断書の作成を各医療機関に依頼、本人が記入する書類の作成、戸籍や住民票など必要書類の入手

6.窓口へ書類の提出


⑥申請窓口

初診時に加入していた保険によって申請窓口が異なりますが、分からなければ住所地の年金事務所に相談に行くと良いでしょう。

申請窓口

・初診日や治療歴、認定日請求か事後重症か、医師が診断書を記載できそうか(障害の状態が一定以上か級に該当しそうか)を問われるため、メモして持参しましょう。


⑦初診日について

初めて医師の診療を受けた日です。医師とは、必ずしも精神科でなくても良いです。

現在と病名が違っていても関連性があれば可です

・医療機関へ長期間受診せず、無症状で問題なく生活が送れていた場合などは、再度発症して受診した日です。

 一方、長期間受診がなくても症状がありながら生活していた場合は、障害が継続していたということで診断書が作成できる場合もあります。

アスペルガー障害を含む広汎性発達障害については、障害の状態が出てきて初めて受診した日

・先天性疾患でも初めて受診した日が初診です。

 ※知的障害は先天性または出生後の早い時期に何らかの原因で生じる障害なので、初診日がいつであるかに関わらず、「20歳前初診の障害基礎年金」として扱われることとなっています。


⑧診断書について

・受診状況等証明書

 初診証明。現在の病気に関連して一番最初に受診した医療機関へ作成を依頼します。精神科以外の医師だと証明書を記載してもらえない場合も多いので、相手に説明が必要です。診療録の保存期間は5年です。初診時の診療録が処分されていたり、廃院となっている医療機関もあります。受診状況等証明書が用意できない場合は、2か所目以降で作成可能な最も古い医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼し、「受診状況等証明書が添付できない理由書」という書類(窓口で受け取れます)を添付します。

・障害認定日・現症 の診断書の作成

 認定日請求と事後重症の場合は診断書1枚、訴求請求の場合は診断書2枚です(受診状況等証明書除く)。

 年金の診断書は、精神科を標榜する医師でなくても記入可能です。

例)てんかん、知的障害、発達障害、認知症、高次脳機能障害→小児科 脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科

 初診時の病名と認定日や現在の病名が違う場合は因果関係について記載が必要です。診断書の現症は、請求日(窓口へ書類を提出する日)以前3ヶ月以内とされています。


⑨保険料納付要件について

・3分の2要件

 初診日の属する月の前々月までの加入期間について、納付済期間+免除期間が納付すべき期間の3分の2以上納付していること

・直近1年半要件

 初診日が平成28年3月31日以前の場合は、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納期間がないこと


⑩所得制限について

 20歳前の初診で障害基礎年金を受給している人(無拠出)は、所得制限があります。目安の金額は年収500万円です。年収400万円で年金額がおおよそ半額となります。 アルバイトなどでは上限を超えることはありませんが、不動産の収入などがある方で支給が止まる方も稀にいらっしゃいます。

 無拠出とは保険料の拠出をしていないことです。


⑪障害年金額

 障害基礎年金1級:年額983,100円(月額約82,000円)

         2級:年額786,500円(月額約65,000円)。

 障害基礎年金は定額です。

 障害厚生年金1、2級の人は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。

 障害基礎年金に3級はありません。

 障害厚生年金1、2級の人に配偶者がいる場合は配偶者加算(226,300円)が付きます。

 障害基礎・厚生年金ともに、子の加算があります。 

 1人目・2人目 各226,300円、3人目以降 各75,400円(年額)

cf)障害年金と児童扶養手当

 子が加算の対象となっている場合は、児童扶養手当は支給されません。

 母子・父子家庭の母または父に障害基礎年金が支給されている場合は年金が優先されます。児童扶養手当の額が多くても年金が支給されます。


⑫障害年金とその他の年金(老齢・遺族年金)について

年金には併給できる年金とできない年金があります。

年金の種類

・障害年金と老齢年金

 障害基礎年金を受給している人は国民年金の保険料が法廷免除されます。そのため、老齢基礎年金が低額となる傾向にあります。

 障害基礎年金2級は、満額の老齢年金と同じ額です。

 65歳になったとき障害基礎年金を受給している場合は、障害基礎年金と老齢基礎年金の受給額を比較して多い方を受給します。

・障害年金と遺族年金

共済年金では、遺族年金を受けている人が死亡すれば、さらに次の人に遺族年金を引き継いでいくということがあります。

死亡した人が共済年金の場合は、父親が死亡した時点で子が20歳を超えていても共済組合法の1級または2級の障害者であれば遺族共済年金の受給権があります。母親が遺族共済年金を受けており、母親が死亡後、遺族共済年金か障害年金かのどちらかを選択することになります。

死亡した人が厚生年金の場合、死亡時点で障害の状態にあっても20歳を超えている子は遺族厚生年金・遺族基礎年金の対象になりません。また、20歳前に受給権があっても20歳になれば失権します。


⑬障害年金と傷病手当金

 傷病手当金は病気やケガなどで会社を休み、給料がでないときに支給され、上限が1年6ヶ月です。障害年金は申請が初診から1年6ヶ月経過していることが条件となるため、両方の給付が重なることがないようになっていますが、場合によっては重なることもあります。

この場合、年金額の方が多ければ、障害基礎年金・障害厚生年金が支給され 傷病手当金は支給停止となります。傷病手当金が多ければ、年金の支給額を差し引いた額と障害基礎年金・障害厚生年金が全額支給されます。実査は、傷病手当金の方が多くなるケースがほとんどです。

例)障害厚生年金3級(4万円)受給中に、傷病手当で10万円支給される場合。障害年金から4万円、傷病手当から6万円の支給となる。


⑭病名による給付の制限

 故意にしたことにより障害となった場合は、全額または一部を給付されない場合があります。しかし、以下は給付の制限の対象にはなりません。

・覚せい剤であっても自己の意思によるものではなく、強迫や暴力により強制的に中毒にさせられた場合

・塗装の仕事でシンナー中毒になった場合

・アルコール中毒による精神障害。アルコール摂取そのものは合法的な行為である為


⑮障害年金の更新について(障害状態確認届)

 障害年金受給後、1〜5年に1回、障害状態確認届(診断書)を提出しなければなりません。

 提出の時期になると年金機構から診断書が送られてきます。それを医療機関に提出し、主治医に記載してもらいます。

 通常が誕生月の末日ですが、20歳前初診による障害基礎年金の場合は7月末が期限となっております。

 必ず提出期限の1ヶ月以内に作成されたものを提出するようにしてください。例えば、7月末までに提出が必要であれば、7月中の受診とその時の状態の記載が必要です。

 提出指定日を過ぎても提出のない人は、誕生月の直近の定期支払い月から支払いが差し止められ、差止通知書が送付されます。

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精神科(レンタングル大)
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