精神保健福祉士(PSW)

1、精神保健福祉士(PSW)とは

2、仕事内容

3、活躍の場・役割

4、精神保健福祉士になるには

5、精神保健福祉士は国家資格(難易度・合格率)

6、一日の仕事例

7、精神保健福祉士と社会福祉士

8、収入(統計)

9、体験談(きっかけ、やりがい、苦労、大事なこと)


1、精神保健福祉士とは

 精神保健福祉士は、PSW(Psychiatric Social Worker)とも呼ばれ、精神障害を抱えた人の支援をする人です。

精神障害は日本に約320万人いると言われており、精神科病院には現在も30万人の精神障害者が入院しています。ここ数年では、特にうつ病や気分障害、アルツハイマー病の患者数が増えています。

 精神障害は特別なものではなく、生活をする上で、環境やストレスに対する脆弱さなどが関係して引き起こされるもので、誰もがかかり得る可能性があるものです。

 精神障害を抱えた場合、症状と社会との間で生活のしづらさが生じます。その生活の中で生じる障害を軽減・解消していくのがPSWです。


2、仕事内容

①退院援助

 精神科に入院してくる方は、様々な問題を抱えています。

 PSWは、病気を診る医学モデルではなく、生活者として捉える生活モデルで支援し、病院から地域へ、医療から生活へと移行する過程をサポートします。具体的には社会資源の情報提供や障害福祉サービスの利用手続きなどを行います

②受診・受療援助

 受診の相談を受けます。

 精神科とひとくくりに言っても、アルコール依存症を専門にしている病院もあれば、児童思春期を専門にしている医療機関もあり、様々です。病院はもちろん、クリニックでもPSWが受診の相談を受けています。また、適切な相談窓口の紹介も行います。

③経済的問題の解決、調整援助

 障害により働けないこともしばしばあり、働けても長く続かなかったりします。経済的なことは生活の基盤となるもので、利用できる制度・サービスがないか情報提供します。

④地域活動

 地域に対して精神障害について理解してもらえるよう啓発活動を行います。また、障害を持った方でも希望する生活ができるよう社会資源の開発を提案し、問題解決を図ります。

⑤家族への支援

 ご家族の抱える問題についても調整します。疾病理解や家族の休息についても配慮しながら支援を行います。


3、活躍の場・役割

 精神科病院やクリニックでは、受療支援や退院支援を行ないます。相談支援事業所では、地域でその人らしく生活ができるよう、他機関とのコーディーネート役を担い、グループホームや就労支援事業所では、住む場所や働く場所で地域での生活を直接サポートします。

 また、市町村の精神保健福祉に関する行政(保健所や精神保健福祉センターなど公務員)や、心神喪失者等医療観察法に関する司法領域、また、認知症高齢者の増加を背景に高齢者施設でも活躍しています。

 その他、学校で相談を受けるスクールソーシャルワーカーや産業分野(企業)で働く精神保健福祉士もいます。

 メンタルヘルスの問題はすべての人が対象となり得るもので、精神保健福祉士の活躍の場は多岐にわたります。


4、精神保健福祉士になるには

 精神保健福祉法7条に記載されています。

psychosocialworker

【引用】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験


5、精神保健福祉士は国家資格(難易度・合格率)

 精神保健福祉士は、平成10年に国家資格化されました。

 名称独占の資格で、この資格がないと仕事ができない(業務独占)わけではありませんが、求人では資格を条件としているところが多いでしょう。診療報酬上に組み込まれたり、他職種から専門職として認識されるようになりました。

 合格率は受験者数の6割前後を推移しています。毎年7千人程度が受験し4千人が合格しています。男女比は3:7と女性の方が多いです。保健福祉系の大学からの受験者が約半数を占めており、合格者も半分弱を占めています。ちなみに精神保健福祉士の登録者数はH28年時点で、約7万人です。


6、一日の仕事例

精神科病院で働くPSWの一例ですです

8:30 病棟の申し送り

8:45 相談室でミーティング

9:00 外来の患者さんと面談

9:40 記録や電話対応

10:30合同回診・スタッフミーティング

12:00 休憩

13:00 入院患者の退院前訪問

15:00 記録や電話対応

15;20 入院患者と面談(退院先や経済的な相談)

16:00記録や電話対応

17:00 就業

 上記は一例で、PSWの仕事は毎日決まった内容をしているわけではありません。急な受診・入院相談もありますし、入院中の患者さんから相談事があると面談希望があれば、面談します。1日の仕事はルーティン作業ではなく、イレギュラーの仕事がほとんどと言えます。また、病院では、運営に関わる仕事から季節行事の企画なども行なっています。


7、精神保健福祉士と社会福祉士

 精神保健福祉士とよく似た資格で社会福祉士という国家資格があります。基礎部分は同じで、国家試験も同時に受験することができるため、両方の資格を持たれている方も多くいらっしゃいます。

 両者の違いは対象者で、精神保健福祉士はメンタルヘルスの問題を抱えた人ですが、社会福祉士は高齢者、身体・知的障害者、母子、児童など全ての人を対象としています。病院で働く社会福祉士をMSWと言います。仕事内容はPSW同様、対象者が抱えている困難について、一緒に考えていき、よりその人らしい生活ができるようサポートします。


8、収入(統計)

 年収は、300万から400万円といわれています。おおよそ、月25万円前後です。当直をしたり、役職がついたり、経験年数によって、収入が増えることはあります。地域の施設になると、公務員や病院に比べ、給料が安い傾向にあるようです。

精神科病院では当直(泊まり)が仕事内容に含まれているところもあります。

 夕方17時から翌朝8時30分が月に数回あるところが多いようです。
 業務内容は、電話対応、受診や入院の対応です。入院時には精神保健福祉法の知識が求められるため。法律を十分理解した精神保健福祉士が対応することが望まれます。
 また、外部からの相談だけでなく、入院患者が急変したり、救急搬送が必要になった場合も対応します。夜間帯や休日は各部署長が不在であるため、事務当直に判断を求められることも多々あります。
当直料は救急の当番病院の当直とそうでない場合で、数千円〜1万5千円程度まで幅があります。

【参考】精神科病院に勤務しているPSWの給料

<画像>


9、体験談

 精神障害を抱えた人が、障害を抱えながらもその人らしい生活を送れることがPSWの目標です。

時には制度だけでは解決できない問題も発生し、一緒に頭を抱えることもあります。

しかし、一緒に問題に立ち向かい、試行錯誤する過程で関係性が構築されることもあります。協働するためには信頼関係無くしてはできないでしょう。

 自分の人生を決めるのはあくまでも本人で、PSWではありません。PSWが良い方法・選択と思ってもそれがその人にとって良い選択とは限りません。今までの生活背景を思い描き、共にゆらぎながらも、マラソンのように寄り添っていくことを大切にしています。

困った時には顔を思い出して相談してくれたり、感謝の言葉をくれたり、入院していた方が徐々に自立していく姿を見ると、とてもやりがいを感じます。

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精神科(レンタングル大)
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